18.時空の色

『仲順節』
別れても互に ご縁あてからや
糸に貫く花の 散りてぬきゆめ

<歌意>
たとえ別れることがあっても、縁があって結ばれたからには糸で貫いた花が散らないように、
決して離れることはありません。

《《仲順節》は、相思相愛の男女を鴛鴦の姿に重ね合わせ表現した琉球舞踊「天川」の入羽の音曲として演奏されます。また、組踊「手水の縁」の劇中では登場人物である恋仲の男女が別れを惜しむ場面で歌われます。

古写真と現在の首里を見比べると、移ろいゆく時代の中で変わってゆく景色と変わらない景色があることに気づきます。

「古都首里の街並みを歩くと変わりゆく首里を楽しみつつ、時空を越えてそこに生きた人々に思いを巡らせることができるのではないでしょうか。

琉球古典音楽演奏家 親川 遥

中城御殿跡

「中城御殿」は琉球国王の世子(せいし=後継ぎ)である中城王子(またはその屋敷)のことを指します。
当初は真和志村(現在の首里高校グランド付近)にありましたが、1875年に風水師の占いによって現在の場所へ移設されました。
現在も発掘調査が進められ、今後の復元が期待されています。