05.祈りの色

『白鳥節(しるとぅやぶし)』
御船の高艫に 白鳥が居ちやうん
白鳥やあらぬ 思姉おすじ

<歌意>
御船の高いところに白い鳥がとまっているよ。いや、あれはただの鳥ではない。航海安全を守護する姉の霊神(をなり神)だよ。

沖縄では古より女性には神秘的な霊力が宿っているとされています。白い鳥や胡蝶に化身した姉あるいは妹の霊が唐(中国)や大和に旅する兄弟を守護するというもので、この信仰を「をなり神信仰」と呼んでいます。

姉妹は旅立ちの際、花向けとして自身が身につけていた物や想いを込めて織った手巾(手拭い)を送り、兄や弟は、その手巾に姉妹の霊力が宿り自分を守護してくれると信じ非常に大切に持っていたと言われています。また、旅に出る際には姉妹の髪を貰い受け、それを守り袋に入れて旅立つ風習もあったようです。

琉球古典音楽演奏家 親川 遥

臨済宗慈眼院 首里観音堂

首里12カ所の一つであり、正式の寺号は「慈眼院」(じげんいん)といい、臨済宗妙心寺派に属する寺院です。通称、首里観音堂とも呼ばれています。
1618年、首里の萬歳嶺という丘(高台)に観音堂を建て、その南に、慈眼院を建立しました。
また、当時、琉球王国は貿易(航海)が国の中心であり、首里の萬歳嶺という丘からは那覇の町・港・海・空を一望でき、渡航の安全・国の安全を祈願するのに最良な地でした。

大平山安國寺

安国寺(あんこくじ)は沖縄県那覇市首里寒川町2丁目に位置する寺院です。山号は太平山。
景泰年間(1450~57)に尚泰久王(位1454~60)が建立した禅寺です。
元々はは那覇市首里久場川町に位置していましたが、康熙13年(1674)に現在地に移転。