01.首里城 石の色

『揚作田節』
二葉から出でて 幾年が経たら
巌抱き松の もたへ清らさ

<歌意>
二葉の頃から幾年を経ただろうか
岩を抱くほどに茂った松の見事なことよ

《揚作田節》は豊年満作をはじめ、子孫や御代繁栄を祝う(祈願・予祝する)祝賀の曲です。高音域で力強く歌われ、テンポもリズミカルで活気に満ち溢れており、勢いと喜びを感じさせる曲想となっています。

松は古くから神々が宿る神聖な木と考えられてきました。また、一年を通して青々とした葉を茂らせる常緑樹で樹齢も長いことから、繁栄と長寿の象徴として人々から尊ばれてきました。

「石の文化」とも言われる美しく見事な首里の石造建造物は、今もなお多くの人々を魅了しています。しかし、この美しい石造建造物の裏には建造に携わった多くの先人達の知恵と経験、信念、苦労など様々な思いが込められています。何もないところから長い年月をかけて築き上げてきた首里の「石の文化」。まさに王国の技術の粋を集めた繁栄の象徴と言えるでしょう。

琉球古典音楽演奏家 親川 遥

園比屋武御嶽石門

琉球石灰岩で造られた建物で、国王の安全祈願をした礼拝所でした。
門の形になっていますが人が通る門ではなく、神への「礼拝の門」ともいうべき場所であります。
奥には琉球の信仰における聖域である「御嶽」と呼ばれる森が広がっています。